設計の丹野です。
お施主様と家づくりの打合わせをしているとき、お施主様がご自身のご要望について
「こんなん、おかしいですか?」と私に問いかけることが時々あります。
それは間取りの相談中だったり、仕上の素材や色の組合せを考えている時だったり。
タイミングは色々ですが、普通お施主様は家づくりに慣れていらっしゃらないので、
ご自分の意見が間違っていないかどうか、気になってのご質問だと思います。
確かに、私たちが想像もしないようなご要望を持っていらっしゃって、
驚くこともあります。
「それでいいのかなぁ」と疑問に思うことだってあります。
でもそれが“=おかしい”ということにはなりません。
過去に私がお会いしたお施主様で「子供部屋のクローゼットは扉なしに
します。」とおっしゃった方がいらっしゃいました。
はじめは「えー??中身が丸見えだし、ほこりも入るし、いいのかなぁ」と思いました。
ですが奥様は「だって、子供たち(小学生以下の男の子×3人)は、どうせ扉なんて面倒で
閉めてくれないし、中身が見える方がどこに何があるかすぐ分かるし、クローゼットの
中にものを押し込めてしまったりしないでしょ」とおっしゃった後、「おまけにその方が
安上がりだし」と笑いました。
クローゼットには扉がついているもの。それは常識かもしれません。
でも、ついていなければいけないもの。ではありません。
基本的な部分で、私たちが「できません」とはっきりお断りするのは、安全が保証できない
場合や法律に違反する場合など、ごく一部に限られると思います。
ご家族の生活パターンはご家族の数だけあります。時には私たちが感心してしまうような
個性的なアイデアだって飛び出します。
「こんなこと言ったらおかしいかも」なんて考えずに、ご要望や思いつきはドンドン話して
くださいね。
より良い形に整えてお返しするのが私たちの役目です。
楽しいご相談、お待ちしています(笑)