気密とは何か?
高性能住宅で欠かすことのできない要素。
それは「気密」
近年、住宅において性能が重視され始めるとともに気密値が重視されるようになりました。
気密とは、家の相当すき間面積の事でC値という数値で表されます。
C値は「住宅全体のすき間合計面積(㎠)/延べ床面積(㎡)で計算され、単位は㎠/㎡で表されます。
値が小さければ小さいほど隙間が少なく、気密性が高いことになります。
気密性能の目的
国土交通省告示第 793号別表1.1に
「室内に直接侵入する隙間風の防止による暖冷房負荷の削減、壁体内気流の防止措置による断熱材の断熱効果の補完及び適確な計画換気の実現のため、気密性の確保のための措置を講じるものとする。」
と定められています。
気密の目的は以下になります。
目的その1
漏気負荷を減らし省エネルギー化と室内温環境の快適性向上を図るため
家の隙間をなくすことで、真夏・真冬の外気の流入を防ぎ、少しの冷暖房エネルギーで快適でecoな暮らしができます。
目的その2
壁体通気を抑制し断熱性能の低下を防止するため
断熱材は、細かな繊維の隙間に空気を保持し、空気の流れを止めることで断熱材の効果を発揮します。気密が取れていないと繊維に閉じ込めた空気に内外より空気が入り対流を起こし断熱性能を低下させます。
目的その3
壁体内結露を防止するため
壁体内結露は特に冬場に発生します。人の生活によって室内の湿度が上昇し、壁の中に入り込み、結露が発生することで木材の劣化やカビが発生します。
目的その4
計画換気の性能保持のため
室内空間には、二酸化炭素、ハウスダストと呼ばれるカビの胞子やダニの死骸などが浮遊しています。そして外気にはPM2.5や花粉などのアレルゲンが含まれています。家の隙間をなくすことで、アレルゲンを排除するフィルターを通りきれいな空気が室内へ、そして汚れた空気が計画的に外に排出されます。
暮らしにおける高気密住宅のメリット
01
いつも快適な室温
外気と内気が流入する隙間が少ないことで、少しの冷暖房エネルギーで室温を一定に保つことができ、快適空間を持続することができます。
02
綺麗な空気環境
隙間から、花粉などの汚染物質の侵入を防ぐので、計画的に換気ができ、24時間365日きれいな空気環境で快適に過ごすことができます。
03
劣化を防ぐ
隙間から、湿気の流入を防ぐので、断熱材や柱を腐らせるなどといった性能劣化の原因となる壁の中の結露やカビ発生を防ぐことができます。
04
防音性が高い
音が漏れる隙間が少ないので、遮音性にも優れています。ご近所トラブルに多い騒音問題も、ストレスフリーで暮らすことができます。
気密をよくするためには、施工に手間と時間がかかります。
気密の数値が良ければ、施工品質が良く住宅の質が良いということにもなります。
国が定める気密の基準
実は、現在、気密値に関する国の明確な基準はありません。
1999年に「次世代省エネ基準」で基準値の指標があったにも関わらず、2009年にはC値の基準は廃止されました。
1999年までの基準値とされていた大阪の値はC値5.0㎠/㎡。(寒冷地ではC値2.0㎠/㎡)
これは、どのくらいの隙間なのかというと、建物の延べ床面積が100㎡の場合、総隙間面積が500㎠になり、はがき3.3枚分の大きさに相当します。
気密値の目安
国の省エネ基準から気密値が削除されましたが気密は「快適に暮らすためにも重要」とお伝えしました。
では、「隙間風を防止し、冷暖房負荷の削減、計画換気の実現」ができる家にするためには、いったいどのくらいの数値を目指せばよいのか?
専門家によって、0.7㎠/㎡以下が良い、1.0㎠/㎡が良いなど、様々な意見がありますが、Gハウスでは、C値0.36㎠/㎡以下を推奨、0.5㎠/㎡以下を保証しています。
計画的な換気は、家の気密性能以外に、外部環境である外気との温度差、建物の立地場所、屋外の風速に影響されます。
C値0.36㎠/㎡以下であれば外部環境に影響されず、計画的な換気ができるからです。
C値は数値が小さければ小さいほうが良いといわれていますが、目的は、計画的な換気です。
言い換えれば、0.1㎠/㎡でも0.36㎠/㎡でも計画的な換気は実現するということになります。
もっともC値5.0㎠/㎡以下は基準は甘すぎですが。
まとめ
Gハウスでは、2018年以降、全棟で気密測定を実施しております。
その平均値が0.2㎠/㎡。
性能が良くなれば、その分手間と時間がかかりますので価格は高くなります。
昨今、「C値はいくらですか?」と聞かれることが多くなりました。
もちろん気密性能は大事ですが、気密性能だけよければ良いわけではありません。
断熱性能、耐震性能、省エネ性能、価格、デザインなど、バランスよく物事を見ることも大切です。
一番大切なことは「家族のための家づくり」ということです。