設計の丹野です。
暑い日が続いたり、急に寒くなったり、着るものも迷うこの季節、体調を崩す人も
多いですよね。
四季の変化とともに生活する私たちは、外の温度差に対応することに、ある程度
慣れているのかもしれません。
景色の変化や洋服のコーディネートなど、その変化を楽しむ気持ちも持っています。
しかしそれは、家の外の話…。
家の中は、厳しい自然環境を忘れられる、快適な温度環境で一年中過ごせるのが
一番ですよね。
家の中を一年中暖かく保ち、家中の温度変化を少なくすることは、ただ快適な環境を
作るだけでなく、そこで暮らす人の健康を維持するために必要不可欠なことなんです!
実は命にも関わることなんです!!
そんな大げさな…⁈
そう思った方も多いかもしれません。
冬場の浴室やトイレなど、室内の温度変化が大きい場所でさまざまな発作を起こして
死亡するケースもあるヒートショックは、近年日本での冬場の死亡原因として大きな
問題となっています。
このことは家の中の温度変化が健康に害を及ぼす代表的な例といえますが、気を
つけなければいけないのは、ヒートショックが起こりやすい脱衣室や浴室、トイレ
だけではありません。
たとえヒートショック現象が起こらなくても、家の中に寒い場所があるということ
は、長い時間をかけてそこに住む人の健康に悪影響を与え続けることなんです。
さらに、ヒートショック発生件数が多い都道府県として、四国や近畿の都道府県が
名を連ねている事実をご存知でしょうか?
その原因は、まさに「家の中の寒さや温度差」にあります。
北海道や東北といった寒さの厳しい地域では、寒い季節の家の暖房は当たり前の習慣です。
家の断熱性能を良くすることへの関心も高く「外は寒いが家の中は暖かい」のです。
しかし比較的寒さの穏やかな地域では、家の中の寒さ
対策として、コタツや小型ヒーター、重ね着など、
家全体ではなく人の周りだけを暖めるという考え方が
根強く残っていることで、家の断熱化や家全体の
暖房対策が遅れていると言えるのではないでしょうか。
今やヒートショックでの死亡者数は、交通事故の死亡者数の3倍以上。
日ごとに寒さが増すこれからの季節、家の中の寒さと温度差に、くれぐれもご注意下さい。
現在、寒い家にお住いの方は、入浴の少し前には浴槽のフタを開けておくなど、温度変化を
うまく調節する工夫をしてくださいね。
“ご高齢者だけの話”だと、他人事のように考えていてはいけません。
家の中の温度環境は、ご家族の健康寿命をも左右する、重大な要素なんです。