パッシブデザインとは?
ZEHとも大きく関係しているパッシブデザイン(設計)に関して、ご紹介したいと思います。
パッシブデザイン(設計)とは日射、気温、風、雨水、地熱などの自然エネルギーを利用できる設計をすることで、冷暖房エネルギーへの依存をおさえて、ecoでありながら、快適な暮らしができるように考えた設計手法です。
冷暖房器具への依存を大幅に削減することができるため、地球温暖化にも貢献するデザインがパッシブデザイン(設計)と言われています。
パッシブハウスとは
パッシブデザイン(設計)とパッシブハウス。
実は似ているようで違います。
パッシブハウスはドイツ発祥の省エネ基準に「パッシブハウス」というものがあります。
ドイツのパッシブハウス研究所が定めた基準をクリア、かつ「パッシブハウス・ジャパン」より、認定を受けた建築物だけを指します。
基準は以下の通り細かく決まっています(1㎡当たりのエネルギー量kwh/㎡(年間))
- 冷暖房負荷が各15kwh/㎡以下
- 家電も含む一次エネルギー消費量が120 kwh/㎡以下
- 気密性能として50㎩の加圧時の漏気回数0.6回(C値0.2㎠/㎡)以下
パッシブデザインのメリット
01
冷暖房費を抑えることができる
自然エネルギーの利用、住宅性能の強化により、少しの冷暖房エネルギーで快適な空間が実現します。
02
家計と環境に優しい暮らしができる
真夏・真冬は冷暖房費を抑えた暮らしで、日中は明るく照明器具を使用せず過ごすことができるため、省エネで環境にやさしい暮らしを送ることができます。
パッシブデザインに必要な要素
断熱性能
断熱性能を高めることで、建物の保温性を向上させることができます。そうすることで自然エネルギーを効率よく活用することができます。
日射遮蔽・日射取得
夏の太陽光を遮断し、冬の太陽光を取り入れます。
夏は涼しく、冬は暖かく、一年を通して快適な室内環境を作ることができます。
自然風利用
卓越風と呼ばれる、地域や特定の期間に吹く、最も頻度が多い風向きの風を取り入れた設計。春や秋などの季節の良い時季に自然風で快適に過ごすことができます。
昼光利用
窓を設け太陽光を取り入れる「採光」と家に取り入れた光をできるだけ遠くに届ける「導光」があります。昼光利用をすることで日中は明るく、照明を使用する必要がありません。
日射熱利用暖房
冬場の太陽光をうまく利用することで暖房として利用するもの。日射熱を取り入れる「集熱」、熱を逃がさないための「断熱」、入った熱を蓄える「蓄熱」があります。
パッシブデザインのデメリット
パッシブデザインはメリットだけではありません。デメリットもあります。
建築費用が高くなる
高性能の建材、サッシなどを使用するため建築費用が高くなります。
目指す程度により、間取りに制限が出る
自然の風を取り込むためにはここに窓、夏は太陽光を遮断し冬場に取り入れるためには、ここに窓を。など、ある程度の間取りが決まってしまうため、注文住宅をご希望の場合、ある程度の間取りの制限がでてきます。
立地条件で、採用できない場合がある
大阪市内などの狭小地では、隣家との間隔が十分に取れず自然の風を利用することができない、採光を確保することができないなど、建てられる場所に制限があります。
防犯、防災上のリスクが上がる可能性がある。
風通しや、太陽光を意識すると必然的に窓が大きくなり、防犯面や、防災面で不利に働く場合があります。
「パッシブデザイン」をどこまで採用するかは、間取り、ご予算等を踏まえた上で採用いただけたらと思います。
まとめ
パッシブデザイン(設計)とパッシブハウス、どちらも「自然のエネルギーを利用し、環境にやさしく、快適な住環境をつくり出す」という点では同じですが違いがあります。
パッシブデザインは、自然に逆らわずうまく自然を利用したデザイン設計。
パッシブハウスは、ドイツパッシブハウス研究所が規定する性能認定基準を満たし、かつ「パッシブハウス・ジャパン」に申請後、認定された住宅を指します。
環境にやさしい暮らしを送ることができますが、立地や間取りによって採用が困難な場合もあります。
「地球温暖化」は人間の生活行動を原因とした二酸化炭素の排出量が原因とされています。
無理のない範囲で、パッシブデザイン(設計)を取り入れることで、地球にも住環境にも優しい家づくりを実現することができます。